大阪府豊中市にある歯医者のいちかわ歯科医院

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院長コラム

第3回 診療明細付領収証

10月1日から歯科医院でも診療費の明細付領収証なるものの発行が義務づけらました。

それとともに歯周病管理や口腔衛生指導、さらには被せについてのの説明書まで、文書で配布せよとの通達がお上のほうからだされました。さてまず領収証に関してですが、今までは窓口でせいぜい本日いくらいくら徴収しました程度のものでよかったのですが、半年の猶予期間をおいて実施されることになりました。当院では開業当初からこの取り決めにそって領収証を発行しておりますが、医療機関での領収証、皆さんはどこまでお求めでしょうか?普通に考えればスーパーのレジで買い物をした後ににんじんがいくら、大根がいくら・・・レシートを出されるのはごく当たり前の光景です。しかし世の中、すべてそういう風にできるかといえば少し疑問です。「保険は点数が決まっているからスーパーレジ型ではないのか」とおっしゃる方がおられるかもわかりませんが、保険の点数の計算の流れで何がいくらの単なる足し算で片付くものとそうでないものがあるのを理解していただきたいと思います。同じようなことしても今日は高くて次回は安いなんてことはよくありますし、二回目以降の調整は数字がないなんてものも珍しくありません。

そもそもこの領収証の発行義務付は総医療費の削減を目指す厚生労働省の政策の一環らしいのですが、その中には色々な意味が込められています。患者さんは自分の医療費がどんな感じになっているか知るのは当然の権利ですし、領収証の発行自体、私は賛成です。全く異論はありません。むしろそれで「今日はこんな治療でこんな金額なんだなあ」と納得してもらえるなら喜ばしいことです。本当に納得してもらえるなら。そしてそれでみんなが幸せになるのであれば。ただこれが現場での混乱を招いているとすれば話は別です。実際われわれがみても保険診療の内訳において、これはこのカテゴリーに入るんだぁと思うものまであるのですから患者さんには理解しがたいものなのではないでしょうか。それに当院のようにカルテコンピューターの入っている医院では明細入りの領収証を出すことは比較的簡単ですが、旧来の手書きカルテの医院では手間とコストが余分にかかり、結局最後、しわ寄せは患者さんに行くのです。治療が終了してからの待ち時間が長くなった、とおっしゃる方も少なくないと聞きます。

次に説明の文書での配布ですが、実際これを作成するために治療時間が減ってしまっているわけですが、それをもらって患者さんが喜んでいるのでしょうか、すごく疑問です。ある調査ではそんな形式上の紙切れいらないよという患者さんがかなりの数いらっしゃったそうです。この取り決め、いったい誰が得をするのでしょうか?そのあたりをもうすこし考えていただきたいものです。とはいってもどんな業種でも法的に決まってしまえば従わなければ仕方ないのも世の常です。少し前に運輸業界では排ガス規制?で廃業を余儀なくされた運送会社がたくさんありましたし、飛行機でもYS11型プロペラ機が安全装置の加減で引退せざるを得ない状況になってしまったようです。歯科業界だけが例外ということはありえません。厚生労働省はカルテやレセプトのIT化を目指しているようですが、IT化についてこれない歯科医院はやめろ、とでもいうことなのでしょうか?もしそうであるなら少し悲しい気がしますが、われわれ自身がエリを正さなければならないこともあるようです。

先日きいたある患者さん(別々)の話ですが、      
「かぶせがとれて、つけて貰っただけで3000もとられた。」
「初診で歯医者にいったら9000円だった。」といったものがありました。

この話が事実なら明細付の領収証をだせといいたくなる気持ちもわかります。一部の不心得者のために善良な多くの先生方が迷惑しているということなら腹立たしい限りです。保険診療は数字が決まっているとはいえ、患者さん一人一人オーダーメイドです。お互いの信頼関係から成り立っている部分も多いかと思います。今後お互いがいい関係を保てるような歯科界になるよう願ってやみません。

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この記事が書かれた日:2006年10月01日

カテゴリ:院長コラム

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